言事堂の日記帖(2023.4-)
2023.4.27
お店の備品をいくつか購入したので、早めに出勤して開封作業。週末から始まる展示の準備。定休日にハローワークと労働基準監督署へ出向いて事業所登録や雇用保険の手続きをしたので書類をファイリングなど。いままで短時間の従業員しかいなかったので、こういう作業は初めて尽くし。
まひろ君が新しいプロダクトのサンプルを持ってご来店。もうすぐリリースを行うそう。言事堂でも販売しますのでお楽しみに。
買取1件、以前お客様から問い合わせのあった『諏訪湖の研究』(上巻のみ)が含まれていた。一度調べているので値段の見当がついていた。出来るだけ本と関わって、こうして見聞きする機会を増やして、いろんな郷土誌のことを知りたいものである。
土曜日から始まる展示で靴の話を友人たちにインタビューした。文字起こししながらまとめたその靴の思い出話がとてもよくて何度も読み返した。4/29-5/7の会期中に店内に掲示するのでぜひ読んでみてください。
『ぶらり諏訪塾』が完売したので追加の注文。すぐに秋山さんが届けてくださる。次の冊子が5月中に発売とのこと。言事堂でも販売します。通販可、お問い合わせください。
2023.4.24
今日は流石に寒そうだったのでストーブに火を入れた。うちでも取り扱い中の版画集『よきお隣さん』の著者・太田二郎さんの工房に立ち寄った時に杉の葉っぱ(二郎さんは”すぎっぱ”と言っていた)をかごにたくさん頂いたのを薪ストーブの点火時に使っている。これが本当によく燃えて、焚き付けにぴったり。はやく暖かくなるといいな。
今日は店頭買取が2件、お客さんも多くてたくさん話をした。とある作家の熱狂的なファンだというお客様が学生時代に神田神保町の印刷工場でアルバイトをしていたという、50年前の神田周辺の話は面白かった。森谷均が創設した昭森社には当時の詩人や作家がみんな森谷に原稿を見てもらいにミロンガのある路地裏を通っていた話(ミロンガの二階に昭森社があったそうだ)や、レストラン・ランボオで武田百合子が働いていて、そこで泰淳と出会ったという話などなど。ミロンガの2階には思潮社とこの昭森社、そして書肆ユリイカ(現在のユリイカの前身)の3社がぎゅうぎゅうに入居していたという。私は知らずにこの裏路地をよく歩いていた。移転したミロンガにも行かなくては。
買取のお客様から『針生一郎 蔵書資料年表』をお借りした。凄まじい膨大な資料群を眺めているだけでも針生さんの一生を覗き見ている気持ちになる。
2023.4.23
諏訪市議選挙投票日。投票所に立ち寄ってからお店に向かう。気温を確認、ここ最近は日中20度を超える日もあるので薪ストーブを点けるかどうか迷う。結局午前中火をつけて2、3時間店内を暖めるだけにする。薪の入手も大変なので火をつけるのも悩ましい。
値段を付けながら接客。昨日、藤原印刷で心刷祭が開催されて、それを目当てに長野に来たという方が言事堂にも立ち寄ってくださった。
岡谷市教育委員会発行『岡谷の今昔』という記念誌を読む。図版の中に『氷上軍事演習』とあって戦車(写っているのは車輌の牽引車とのこと)が諏訪湖の氷の上を走っている写真が掲載されていた。言事堂の大家さんのお父様が、昔諏訪湖の上に戦車が走っていたとおっしゃっていたことを思い出した。岡谷にもサスナカがあったとは。
小口基實『信州の庭園』のリーフレットを読んでいたら「装丁デザイン 原田泰治先生」と記してあった。原田さんが装幀のお仕事もされていたことを初めて知る。小口さんの著作『琉球・薩摩の庭園』という書籍が沖縄の古本屋の中では割と知られている本だったので、小口さんのお名前は以前から覚えていた。諏訪でお店を開店してすぐに小口さんがこの本を携えて来てくださった。知っていた本の著者のかたに諏訪でお会いできるとは。