言事堂の日記帖(2023.4-)
2025.10.2(木)-10.6(月)
10.3(金)
久しぶりにひどい風邪をひいてしまい喉の痛みにすっかり参ってしまった。昨日は休息を、と多めに寝てみたら腰痛が発生。長く横になるのも身体に悪そう。動いているのが一番いい。山岳書を15冊ほど値付け。文庫本と新書版も。今日はレジ台の中がとても冷えていた。夕方、男性客と二人になってしまい怖かった。できるだけ顔を見られたくなくて、レジ台に本を積み上げて見られないようにした。去年の付きまといがあった頃から1年経つけど、まだまだ警戒心は解けない。ぷらざの記事を観てきましたというご夫婦、私うちなーんちゅなんです、と女性のかた。聞けば、私の娘と出身中学が同じ、ご主人と40年前から富士見に住んでいるそう。国吉清尚さんのことや沖縄空手の「ティー」の話など、沖縄の話題で盛り上がりました。うれしい出会い。
10.4(土)
風邪薬を変えて、のどのスプレーも持参して出勤。元気だけは余りある。新刊書の入荷本の整理。今日は国道を封鎖して五蔵前で飲みあるきイベント。まちが賑やかになります。雨模様なのが残念。藤森栄一の本を購入してくれた青年と藤森栄一の旅館と書店の話をする。上諏訪でかつて生活していたという痕跡を探して歩くのは楽しい。夕方、身震いするほど寒くなってきた。早くストーブの周りを片付けないと…。
10.5(日)
喉の痛みが少し引いてきた。スプレーのおかげかな、だいぶ楽。食欲は落ちているのに体重が減らない。悲しい。いつもより睡眠をとって出勤。通勤路ですれ違った人が「無印の…」と話している声が聞こえた。全身無印コーデだとばれたのか。大昔調査会の高見さんが『諏訪史第一巻』刊行一〇〇年の記念号を届けてくださる。三上さんに取りに行きますと言いながらすっかり忘れていたのでとてもありがたい!税込2500円です。通販にも載せますので興味のある方は連絡下さい。鳥居龍蔵と笹森儀助は熊楠くらい有名でもいい気がします。(琉球人遺骨問題が早く解決しますように。)
10.6(月)
ミシマ社の新しい営業のかたがご挨拶に来てくださる。前任のOさんは退職したとのこと、安曇野でまた会えたら。H君が来ていたので昨日高見さんからいただいた榎垣外遺跡のパンフレットを手渡す。2部あってよかった。奈良時代、諏訪にたった10年間だけ存在した『諏訪国』があったそう。私もどこかの本で読んで知ってはいたけど、この榎垣外遺跡がその諏訪国だった頃の役所の跡なのだそう。そんなこともわかるんですね!諏訪の考古学は本当に面白い…。中学や高校で学んだ日本史がこうやって身近にあって蘇ってくるなんて。今日は店売りの売り上げが少なかった。代わりに通販はよく売れた。少しほっとした。火水はお休みです。また木曜日に。
2025.9.25(木)-9.29(月)
9.25(木)
休みの日に中庭の木材を片付けて冬支度。外の薪置き場は半分までしか進められず。通販の梱包後に、ななこさんと展覧会の打ち合わせをオンラインで。本の登録をすすめる。バックヤードも少し片付いてうれしい。2階をようやっと片付ける気持ちになってきた。腰が重すぎる。発注していた本がどんどん届く。楽しみにしていたマキネッタもスウェーデンから届いた!ぎすじみちさんの展示の搬出をしながら営業、途中お客様が写真を見にきてくださって、泣きそうになりながら大笑いしてくださり、みちさんも喜んでいると思います。よかった!いつも笑って暮らしたいです。
9.26(金)
月刊プラザ諏訪に檀さんが描いてくださった言事堂の記事が載りました。早速お客様がご来店、買取の予約をいただきました。熊谷守一やジャベルのお話などで盛り上がる。檀さんありがとうございます!写真、山積みなった本がすごい高さで写っています。査定の山を進めつつ、通販の梱包梱包。八十二銀行の営業の電話を受けつつあれこれメモ書き。
9.28(日)
常連のKさんがぷらざに載った記事を持ってきてくださる。いつもありがとうございます。店頭買取1件、山の本が入荷しました。お待ちいただいている査定なんと5件、出張買取の予定2件、もうてんてこまいです。仕事が終わらない!次の展示の準備とぎすじさんの写真の返送もまだまだ。もう一つ身体がほしい。
9.29(月)
今日も大忙し。開店前に銀行の両替と外の薪置き場の整理。細かい木材はあと少しで終わりそう。大きな木を切るのはまだ。チェーンソーの準備をしなくては。
2025.9.18(木)-9.22(月)
9.18(木)
定休日に上諏訪のとあるお宅に出張買取へと出かけた。時々お話しながら査定を行なっていたところ、中村不折の話になって、眞澄のロゴになっている揮毫は不折の作だと初めて知る。夏目漱石の『吾輩は猫である』の初版本の挿絵を不折が描いていたことは知っていたけれども、上諏訪の老舗の店舗も手掛けていたとは。ちなみに眞澄の宮坂醸造からほど近いとある蔵元のロゴの揮毫は、そのお話をされていたHさんのお祖父様によるものだそう。びっくり。新宿中村屋と不折、岩波書店、夏目漱石、となんとなくつながってきた。なるほどなるほど。長野に来てから読んだり調べたりしていることがどんどん景色よくなってくることが楽しい1日だった。
休み中の通販の発送分の梱包で午後までかかってしまった。玄関に積み上げたままになっていた村野藤吾建築図面集全8巻揃を値付け。早くやればよかったのにいつも遅くなる。写真シートが残念ながら欠になっているけど売れますように。諏訪、長野の縄文関連の良書がまとまって入荷しました。縄文のメドゥーサ(旧版です)も。いい本たくさん入荷しています。お店にどうぞ遊びにいらしてください。
9.19(金)
午前中は琉球切手の値付け。いつの間にか結構売れていて驚いた。たくさん値付けしたので見てみてください。ピナイサーラの切手は未だ一度も見たことがありません。katsura booksの織田さんがご来店、「石垣りんの手帳」をお持ちくださる。銀行勤めだった石垣りんが、銀行から支給されていた手帳に綴っていた日記を抜粋して本にしたもの。ぱっと開いた1981年の日記を読んでいたら沖縄に行った日の日記で、沖縄ジァンジァンやじんじんのことが書かれてあった。当時、沖縄で会った人たちは誰だったんだろう…。カルチャースクールのことも書いてあったので、新聞社か何かの講演会だったのかな。そのまま3冊仕入れ。武田百合子にも思い入れがあったそうで、『日日雑記』のことにも触れている。引き続き縄文、古代史関連の書籍の値付け。まだまだだあるので気を抜かずに頑張ろう。昨日と今日と、雨のせいか店売りがいまいちだった。土日で挽回したい。
9.20(土)
常連のHさんが開店早々に立ち寄ってくださってしばらく立ち話。古本屋の話や山の話など。昨日に引き続き縄文、古代史の値付けを進める。荒神の古民家関係の人たちが続けて写真展を観に来てくださる。おおらかさ、たくましさ、きよらかさ…、写真から見えてくる景色は面白い。去年は絶不調だったけれども、おや、もしかして今年も色々と運が悪いぞ?というようなことがあれこれと起こる。それと同じくらいに良いことも起こる。極端だ。中庸でいいのに。今日はたくさん売れたのでほっと安心。もうちょっと頑張りたい。明日の仕事の準備をして帰宅。
9.21(日)
ぐるぐるバザールの日。朝一番でお詫びのお電話をいただく。ひと月前から仕入れの本の問い合わせをしていたのになかなか送ってもらえずにやり取りのすれ違いもあり、今回は仕入れを断念したのだった。こういうことはごくごく稀にある。「気」が合わなかっただけで、お互いの気が慌しかったのだろうと思う。ものすごく昔、とある人に「子育てで忙しいなんて、それって言い訳じゃない?」と言われたことを思い出した。言われたことの襞はまだ残っている。お客さんからお花をいただいて気持ちが和らいだ。ちょっとしたことがうれしい。持ち込みの絵本の修理が2件、本のコンディションを見ながら、どこまで補修するか探る。今日はたくさん本が売れました。その分仕入れもたくさん。
9.22(月)
昨晩は蓼科高原映画祭に行ってきました。蓼科には小津安二郎の別荘があり、小津作品の脚本を長く書いていた野田高梧の山荘もあります。小津ゆかりの地で28年も続く映画祭、もうちょっと人が来たらいいのにな、と思いました。クロージング作品『ハロルドとリリアン』はとても心が暖かくなる物語でした。監督のダニエル・レイムは小津のドキュメンタリーを制作、今年全米で公開だそうで、来年は日本にやってくるかな?蓼科高原映画祭での上映もあるかもしれません。ぎすじみち写真展、最終日です。ご来場お待ちしております。3日ほど前から急に寒くなった諏訪、もう秋かな。夏が終わって悲しいです。売り切れていたsuwazineのバックナンバーが入荷しました。ている舎の『新百姓宣言』、『チニアシ』の売り切れたバックナンバーも再入荷しています。今までサンプルのみで販売していなかった10号がなんと入荷しました。おまけ付きです。今日は査定を一気に終わらせる予定です。値付けが進まなくて、一向に『日本の古本屋』の登録件数が伸びません。火水は定休日、また木曜日に。
2025.9.11(木)-9.15(月)
9.12(金)
昨日がぎすじみちさんの展示の初日、すごくにぎわって楽しい時間でした。浦安の猫実珈琲店にDMを置かせていただいたので、お店の方が紹介してくださって、なんと浦安から来てくださったかたも!嬉しかったです。今日は長野日報に記事が載ったのでそれを観たお客様が開店と同時に来てくださいました。展示は22(月)までです。どうぞよろしくお願いいたします。査定が全く終わらなくて冷や汗をかきつつ値付けを進めています。あれもこれも、期日も迫ってきていますが、何度も書いているように、こつこつ、しかないですね。古本屋さんになりたいという人たち、恐ろしい数のタスクをこなせる器量をお持ちでしたらお勧めいたします。
9.13(土)
展覧会の準備で本の値付けが進まなかったので、今日は値付けを中心に。『近代歌舞伎年表 大阪篇』全9巻と『歌舞伎座百年史』3巻揃も入荷しました。新刊書もたくさん入ってきていますので、ご来店お待ちしています。
9.15(月)
敬老の日。展覧会会期中ということもあって来客も多く大忙しでした。ジット・プミサク+中屋幸吉の本を買いにわざわざ諏訪までいらしたお客様がいらっしゃって感激。サウダージ・ブックスの群島詩人のこのシリーズを沖縄時代も含め長く販売してきましたが、とうとう最後の1冊が売れました。増刷もないそうなので、これが本当に最後でした。それに相応しいお客様だったのではないでしょうか。淺野さん、完売しましたよー!展覧会のカタログ、画集も含めたくさん入荷しています。休み中もたくさん値付けしますので、木曜日からもどうぞお楽しみに。ぎすじみちさんの展覧会は22日までです。じわ写の写真集も売り切れたので新しく仕入れの連絡をしました。大忙しで仕事できて大変ありがたいです。火水はおやすみ、また木曜日に。
2025.9.4(木)-9.8(月)
9.4(木)
忙しい1日だった。松本に泊まっているという女の子と長く話をした。就職活動に悩んでいるようだったのでほぐしてあげたけど、そもそも私は人生の中で一度も就職活動というものをしたことがないので何のアドバイスもできない。自分の生活費を自分で作っているので、誰かに雇われるのなんて本当に合ってないと思う。教えられるのは気の抜き方くらいかな…。沖縄でお店をされているという方たちが麻婆食堂どんどんで紹介されたらしく顔を出してくださる。沖縄行きたいなぁ。長野、諏訪の郷土関係の本がまとまって入荷しました。明日画像をインスタにあげます。新刊書もどかっとたくさん届きました。
9.5(金)
早朝に買取の予定だったのが雨で明日に延期。お店で早くから仕事していたら眠くなってしまって、ソファで仮眠をとってしまった。早起きの意味がない。本棚の整理を2時間ほどかけて行う。すっきりした。西堀杜史「信濃ふるさとの歴史」を読んでいると、昔は『熊』が稲の表現であったのではないかと書いていて興味深く読んだ。諏訪は熊ではなく鹿を供物としてきた。現在でも鹿肉を献上しているようだけれども熊はこのあたりの民話にも出てこない。とても不思議に思っていたけど、地名には熊が残る場所もある。稲作、ということでなるほど、と頷く。
9.6(土)
早朝から在庫の捜索。最近注文や問い合わせがあっても発見できないことがあって、とても苦労している。在庫が増えてくるとこんなにも管理が大変になるのか…。全ての本に保管している場所の番号など付けるように工夫したけれども、何せ2万点ほど在庫があるので、番号を振るのもいつ終わるのやら。昨晩は、とうとう営業時間外に新刊書のお知らせを出した。したくなかったけれども仕方ない。営業時間内では無理なことが増えてきた。地元の酒造所に本の買取へ。歴史のある酒蔵、湧き水の音、とても清らかな空間で気持ちが良かった。諏訪の古い資料を買い取らせていただいた。活用すべく、まずはクリーニングから。ばたばたと作業。大昔調査会の高見さんご来店、言事堂の通信販売部の縄文遺跡ウォーキングマップが品切れになっていたので追加納品に来てくださった。複数冊入荷していてもいつも1冊だけ登録しているので、通販で売れた後在庫を1に戻していなくて昨晩慌てて1にしたのだった。なので、品切れではなくてまだ在庫が3冊あったけれども、追加で納品いただく。高見さん、さすがです、いろんなところを見ている!今、『山の家クヌルプ』の文庫本とウォーキングガイドをレジ台に並べて販売中です。今日は出勤時から右足裏の筋が痛い。どこかでひねったかな。新刊書も通信販売部に登録中です。ぜひ読みたい本をお求めください。
9.7(日)
朝一で国際郵便の発送、新刊書の値札作り、画像撮影してSNSにあげる。毎日の作業です。古書の値付け、均一本の整理。最近ダンボールが山積みになってしまって均一本を邪魔している。常連さんも憤っているんじゃないだろうか。でも置き場所がないのです。作ります。長くゆっくり本棚を見てくださったお客様とレジで会話。dannyちゃんのポストカードも買い求めてくださる。山友達なんですよ、これ、色鉛筆で描いてるんですよ、と話をする。ぐっと寒くなって、雪をかぶりはじめた頃、八ヶ岳がピンク色の岩塩みたいな色になる。その色をまとった景色、とてもきれいでうっとりする季節がやってきます。それはもう寒いのですけどね。買取の持ち込み1件、査定1件、古本の掃除をしたりでてんてこまい。忙しくてお茶を1杯しか飲んでいなかった。危ないので閉店後2杯分飲んだ。今日は新刊書・ウォールデン森の生活、神に追われて、中世の諏訪を見つめる、ほか、古書は最終講義 分裂病私見、Red Fox(洋書絵本)、日本超古代文明のすべて、信濃路のひと、ヨーロッパの美術館、さよならアンディ・ウォーホルの60年代、放課後、私と日本建築、ユング、田紳有楽、ソクラテス以前以後、石垣、雑誌アイデア107などなど売れました。どんどん品出しは続きますので、面白そうな本、探しにきてください。
9.8(月)
開店前にアンナさんに拾ってもらって出勤、荷物重いから助かった!出勤前にわざマートへ行っておにぎりを買う。忙しくて昼食を作れなかった時、本当に助かる。今日は大型本の品出しを進めようと決めていたので朝から準備。全45巻の文庫判サザエさんもやっと品出ししました。4500円〔税抜〕です。お送りできますので『日本の古本屋』をご覧くださいませ。値付けしたばかりの『地籍台帳・地籍地図〔東京〕』がすぐに売れた。早く出していればよかったかもしれない。今日はお客さんが続いて、ずっと喋っていた。元リビセンスタッフのみきちゃんと8ヶ月ぶりに会う。一緒に遊びに行く約束をした。今から楽しみ。諏訪と長野の資料を手元で読みながら値付け。郷土資料は本当に楽しい。県内のどこの図書館にもない諏訪の資料をネットで見つけて気になりすぎてどこかで見てみたい。できることなら入手したい。木曜日から展覧会が始まります。準備を進めて展示に備えます。火水はおやすみ、また木曜日に。