言事堂の日記帖(2023.4-)
2025.10.9(木)-10.13(月)
10.9(木)
定休日にお店の駐車場に横浜ナンバーのトヨタのハリアーが停めてあった。あまりに堂々と停めてあるので知り合いなのかなと思っていたら、私が郵便局に行っている間にいなくなっていた。3時間ほど?よく何も言わずに停めていられるなぁと呆れつつ休みの日も仕事をしました。怒らないのでちゃんと名乗ってください。この辺りの駐車場問題はあるけれど、10分も歩かない距離に諏訪市の駐車場があるのに、みんな歩くこと忘れてない?って思う。京都に観光に行ったらみんな歩くでしょ?
早めに出勤を心がけて粛々と仕事。棚の整頓をして苦手なジャンルの並べ方をどうするかうーんと悩んで試行錯誤。通販の梱包とバックヤードの整理整頓。きれいになると気持ちがいいし、当たり前だけど仕事しやすい…。ちゃんと本が売れていってくれることがありがたい。気持ちの良い売り場を作るためにあれこれ工夫をしています。Rさんが希少なお米だよと新米を差し入れしてくださる。日本初の国立大学生まれのお米だそうです。冷えても美味しいとのこと。今晩、土鍋て炊いてみよう。マツダの日本PR誌として80〜90年代に制作された冊子がまとまって入荷。那覇にいるときに何度か入荷していたので懐かしさも。執筆は吉田光邦、編集は瀬底恒、アートディレクションは田中一光、とても豪華。吉田光邦のことを調べても著作の情報しか出てこなくてどういった人柄だったのかわからなかった。松岡正剛の千夜一冊401夜に吉田光邦『文様の博物誌』を見つける。これだ!なかなか面白い経歴だった。『文様の博物誌』も読まなくては。瀬底恒さんにも特別に思い入れがある。これはまた別のところで書いておきたい。
10.10(金)
『『諏訪史第一巻』刊行一〇〇年 次の一〇〇年へ』の販売用POPを書く。展示を見たときに博物館で購入したけれども冒頭しか読んでいなかった。改めて読んでいるとめちゃくちゃおもしろい…。古今書院の由来や芸術家たちへの影響など、知りたかったことがまさかここで読めるとは。店頭にて販売中です。通販でも購入できます。お問い合わせくださいませ。辻邦生のフェアや展覧会が各地で開催されていて、今年は節目の年なのかなと思っていたら生誕100年とのこと。軽井沢高原文庫の展示も見たかったけれど13日でおしまい、間に合わず。磯崎新設計の辻邦生山荘の見学会もあったそう、行きたかったなぁ。値付けをしながら少し本を読む。明日霧ヶ峰に行くという女の子たちが山の本を選んでくれた。まだ雪が降りそうにないから今月もう一回くらいは霧ヶ峰に行けるだろうか。札幌からのお客様も。安曇野や松本を巡って諏訪にも足を運んだそう。こんな古本屋がまだあるなんてと少し感動してくれていた。お土産ができました、と言って一冊本を選んでくださる。今日は店売りの売り上げは良かったものの、通販は惨敗。先月も売り上げが目標に届かず、今月も難しいかもしれない。どうにかしてクリアしたい。対策を練る。
10.11(土)
入荷したばかりの小沢昭一『日日談笑』が早速売れる。昼休みに網野善彦との対談を読もうと思っていたと伝えると、常連Kさんが近くに用事があるから置いていくからまた戻ってくるとのことで少し貸してくださることに。パリの裏通り、ポンピドゥーセンター前の猿芸の話から日本の猿回しの話へ、韓国には野生の猿がいないだとか中世の陰陽師はいろんな土木工事に関わっていたとか、土御門と呼ばれた人たちのこと、世界中の奇祭、遊女や芸事の身分のことなどなど、目が醒めてきた。面白かった!小沢昭一って俳優だよね?なんでこんなに中世の芸事のこととかよくご存知なのだろう?一世代前の文化人て本当に教養がすさまじい。連休初日、新刊書が11冊も売れたのが嬉しかった。いつもは多くても5冊くらいなので。古書もたくさん売れた。しっかり補充して、売れた分、値付けも進めて頑張ります。郷土史をもっと読みたい。
10.12(日)
木曽の民話の本をたくさん買ってくださったお客様と民話のことをしばらく話した。長野にもたくさん伝承の民話がある。駒ヶ根から来ていたお客様も八ヶ岳と富士山の背比べの話をされていた。これも有名な昔話だ。私は上諏訪の河童と立木様の話がとても好きだ。「諏訪式。」の著者の小倉美恵子さんからメールをいただく。同人誌『窓』の最新刊に言事堂の話が載っていて、それを読んでの感想を送ってくださった。感動…。ずっと探していた岩波の新書があったと喜んでくださったお客様が。500冊ほど新書をまとめて買取をして、こつこつ品出しをしています。お探しの本はお尋ねください。連休中日、今日もたくさんお客様がいらっしゃった。たくさん売れました。明日は『日本の古本屋』がシステムメンテナンスで1日動かないようなので、他の仕事をやります。
10.13(月)
連休最終日。昨日値付けを頑張ったのでどんどん棚出しする。残業しすぎて眠い。値札を作ったり経理をしたり梱包をしたり。文月ちゃんが納品に来てくれた。「本をつくるということについて話そう?」「取るに足らない大事なこと」再入荷しています。お店のwifiが弱いので、新刊書の通販の画像登録が全く進まない。ほるぷの近代文学館復刻シリーズの漱石文学館が入荷、中村不折の挿絵を確認。不折だけの絵かと思っていたら、扉絵は橋口五葉、挿絵は浅井忠も描いているそう。不折はかつて上諏訪にあった呉服屋に丁稚に来ている。ゆかりがある土地で、眞澄のロゴも不折が描いている。珈琲のドリップパックのラベル作り。古書の値付けを少し。里帰りしているという方が古書店の誕生をとても喜んでくださっていた。とても嬉しい。今日もたくさんお客様がいらっしゃって、たくさん本が売れました。ご来店ありがとうございました。みなさんに感謝!明日は休み、どこかに行きます。火水定休日、また木曜日に。
2025.10.2(木)-10.6(月)
10.3(金)
久しぶりにひどい風邪をひいてしまい喉の痛みにすっかり参ってしまった。昨日は休息を、と多めに寝てみたら腰痛が発生。長く横になるのも身体に悪そう。動いているのが一番いい。山岳書を15冊ほど値付け。文庫本と新書版も。今日はレジ台の中がとても冷えていた。夕方、男性客と二人になってしまい怖かった。できるだけ顔を見られたくなくて、レジ台に本を積み上げて見られないようにした。去年の付きまといがあった頃から1年経つけど、まだまだ警戒心は解けない。ぷらざの記事を観てきましたというご夫婦、私うちなーんちゅなんです、と女性のかた。聞けば、私の娘と出身中学が同じ、ご主人と40年前から富士見に住んでいるそう。国吉清尚さんのことや沖縄空手の「ティー」の話など、沖縄の話題で盛り上がりました。うれしい出会い。
10.4(土)
風邪薬を変えて、のどのスプレーも持参して出勤。元気だけは余りある。新刊書の入荷本の整理。今日は国道を封鎖して五蔵前で飲みあるきイベント。まちが賑やかになります。雨模様なのが残念。藤森栄一の本を購入してくれた青年と藤森栄一の旅館と書店の話をする。上諏訪でかつて生活していたという痕跡を探して歩くのは楽しい。夕方、身震いするほど寒くなってきた。早くストーブの周りを片付けないと…。
10.5(日)
喉の痛みが少し引いてきた。スプレーのおかげかな、だいぶ楽。食欲は落ちているのに体重が減らない。悲しい。いつもより睡眠をとって出勤。通勤路ですれ違った人が「無印の…」と話している声が聞こえた。全身無印コーデだとばれたのか。大昔調査会の高見さんが『諏訪史第一巻』刊行一〇〇年の記念号を届けてくださる。三上さんに取りに行きますと言いながらすっかり忘れていたのでとてもありがたい!税込2500円です。通販にも載せますので興味のある方は連絡下さい。鳥居龍蔵と笹森儀助は熊楠くらい有名でもいい気がします。(琉球人遺骨問題が早く解決しますように。)
10.6(月)
ミシマ社の新しい営業のかたがご挨拶に来てくださる。前任のOさんは退職したとのこと、安曇野でまた会えたら。H君が来ていたので昨日高見さんからいただいた榎垣外遺跡のパンフレットを手渡す。2部あってよかった。奈良時代、諏訪にたった10年間だけ存在した『諏訪国』があったそう。私もどこかの本で読んで知ってはいたけど、この榎垣外遺跡がその諏訪国だった頃の役所の跡なのだそう。そんなこともわかるんですね!諏訪の考古学は本当に面白い…。中学や高校で学んだ日本史がこうやって身近にあって蘇ってくるなんて。今日は店売りの売り上げが少なかった。代わりに通販はよく売れた。少しほっとした。火水はお休みです。また木曜日に。
2025.9.25(木)-9.29(月)
9.25(木)
休みの日に中庭の木材を片付けて冬支度。外の薪置き場は半分までしか進められず。通販の梱包後に、ななこさんと展覧会の打ち合わせをオンラインで。本の登録をすすめる。バックヤードも少し片付いてうれしい。2階をようやっと片付ける気持ちになってきた。腰が重すぎる。発注していた本がどんどん届く。楽しみにしていたマキネッタもスウェーデンから届いた!ぎすじみちさんの展示の搬出をしながら営業、途中お客様が写真を見にきてくださって、泣きそうになりながら大笑いしてくださり、みちさんも喜んでいると思います。よかった!いつも笑って暮らしたいです。
9.26(金)
月刊プラザ諏訪に檀さんが描いてくださった言事堂の記事が載りました。早速お客様がご来店、買取の予約をいただきました。熊谷守一やジャベルのお話などで盛り上がる。檀さんありがとうございます!写真、山積みなった本がすごい高さで写っています。査定の山を進めつつ、通販の梱包梱包。八十二銀行の営業の電話を受けつつあれこれメモ書き。
9.28(日)
常連のKさんがぷらざに載った記事を持ってきてくださる。いつもありがとうございます。店頭買取1件、山の本が入荷しました。お待ちいただいている査定なんと5件、出張買取の予定2件、もうてんてこまいです。仕事が終わらない!次の展示の準備とぎすじさんの写真の返送もまだまだ。もう一つ身体がほしい。
9.29(月)
今日も大忙し。開店前に銀行の両替と外の薪置き場の整理。細かい木材はあと少しで終わりそう。大きな木を切るのはまだ。チェーンソーの準備をしなくては。
2025.9.18(木)-9.22(月)
9.18(木)
定休日に上諏訪のとあるお宅に出張買取へと出かけた。時々お話しながら査定を行なっていたところ、中村不折の話になって、眞澄のロゴになっている揮毫は不折の作だと初めて知る。夏目漱石の『吾輩は猫である』の初版本の挿絵を不折が描いていたことは知っていたけれども、上諏訪の老舗の店舗も手掛けていたとは。ちなみに眞澄の宮坂醸造からほど近いとある蔵元のロゴの揮毫は、そのお話をされていたHさんのお祖父様によるものだそう。びっくり。新宿中村屋と不折、岩波書店、夏目漱石、となんとなくつながってきた。なるほどなるほど。長野に来てから読んだり調べたりしていることがどんどん景色よくなってくることが楽しい1日だった。
休み中の通販の発送分の梱包で午後までかかってしまった。玄関に積み上げたままになっていた村野藤吾建築図面集全8巻揃を値付け。早くやればよかったのにいつも遅くなる。写真シートが残念ながら欠になっているけど売れますように。諏訪、長野の縄文関連の良書がまとまって入荷しました。縄文のメドゥーサ(旧版です)も。いい本たくさん入荷しています。お店にどうぞ遊びにいらしてください。
9.19(金)
午前中は琉球切手の値付け。いつの間にか結構売れていて驚いた。たくさん値付けしたので見てみてください。ピナイサーラの切手は未だ一度も見たことがありません。katsura booksの織田さんがご来店、「石垣りんの手帳」をお持ちくださる。銀行勤めだった石垣りんが、銀行から支給されていた手帳に綴っていた日記を抜粋して本にしたもの。ぱっと開いた1981年の日記を読んでいたら沖縄に行った日の日記で、沖縄ジァンジァンやじんじんのことが書かれてあった。当時、沖縄で会った人たちは誰だったんだろう…。カルチャースクールのことも書いてあったので、新聞社か何かの講演会だったのかな。そのまま3冊仕入れ。武田百合子にも思い入れがあったそうで、『日日雑記』のことにも触れている。引き続き縄文、古代史関連の書籍の値付け。まだまだだあるので気を抜かずに頑張ろう。昨日と今日と、雨のせいか店売りがいまいちだった。土日で挽回したい。
9.20(土)
常連のHさんが開店早々に立ち寄ってくださってしばらく立ち話。古本屋の話や山の話など。昨日に引き続き縄文、古代史の値付けを進める。荒神の古民家関係の人たちが続けて写真展を観に来てくださる。おおらかさ、たくましさ、きよらかさ…、写真から見えてくる景色は面白い。去年は絶不調だったけれども、おや、もしかして今年も色々と運が悪いぞ?というようなことがあれこれと起こる。それと同じくらいに良いことも起こる。極端だ。中庸でいいのに。今日はたくさん売れたのでほっと安心。もうちょっと頑張りたい。明日の仕事の準備をして帰宅。
9.21(日)
ぐるぐるバザールの日。朝一番でお詫びのお電話をいただく。ひと月前から仕入れの本の問い合わせをしていたのになかなか送ってもらえずにやり取りのすれ違いもあり、今回は仕入れを断念したのだった。こういうことはごくごく稀にある。「気」が合わなかっただけで、お互いの気が慌しかったのだろうと思う。ものすごく昔、とある人に「子育てで忙しいなんて、それって言い訳じゃない?」と言われたことを思い出した。言われたことの襞はまだ残っている。お客さんからお花をいただいて気持ちが和らいだ。ちょっとしたことがうれしい。持ち込みの絵本の修理が2件、本のコンディションを見ながら、どこまで補修するか探る。今日はたくさん本が売れました。その分仕入れもたくさん。
9.22(月)
昨晩は蓼科高原映画祭に行ってきました。蓼科には小津安二郎の別荘があり、小津作品の脚本を長く書いていた野田高梧の山荘もあります。小津ゆかりの地で28年も続く映画祭、もうちょっと人が来たらいいのにな、と思いました。クロージング作品『ハロルドとリリアン』はとても心が暖かくなる物語でした。監督のダニエル・レイムは小津のドキュメンタリーを制作、今年全米で公開だそうで、来年は日本にやってくるかな?蓼科高原映画祭での上映もあるかもしれません。ぎすじみち写真展、最終日です。ご来場お待ちしております。3日ほど前から急に寒くなった諏訪、もう秋かな。夏が終わって悲しいです。売り切れていたsuwazineのバックナンバーが入荷しました。ている舎の『新百姓宣言』、『チニアシ』の売り切れたバックナンバーも再入荷しています。今までサンプルのみで販売していなかった10号がなんと入荷しました。おまけ付きです。今日は査定を一気に終わらせる予定です。値付けが進まなくて、一向に『日本の古本屋』の登録件数が伸びません。火水は定休日、また木曜日に。
2025.9.11(木)-9.15(月)
9.12(金)
昨日がぎすじみちさんの展示の初日、すごくにぎわって楽しい時間でした。浦安の猫実珈琲店にDMを置かせていただいたので、お店の方が紹介してくださって、なんと浦安から来てくださったかたも!嬉しかったです。今日は長野日報に記事が載ったのでそれを観たお客様が開店と同時に来てくださいました。展示は22(月)までです。どうぞよろしくお願いいたします。査定が全く終わらなくて冷や汗をかきつつ値付けを進めています。あれもこれも、期日も迫ってきていますが、何度も書いているように、こつこつ、しかないですね。古本屋さんになりたいという人たち、恐ろしい数のタスクをこなせる器量をお持ちでしたらお勧めいたします。
9.13(土)
展覧会の準備で本の値付けが進まなかったので、今日は値付けを中心に。『近代歌舞伎年表 大阪篇』全9巻と『歌舞伎座百年史』3巻揃も入荷しました。新刊書もたくさん入ってきていますので、ご来店お待ちしています。
9.15(月)
敬老の日。展覧会会期中ということもあって来客も多く大忙しでした。ジット・プミサク+中屋幸吉の本を買いにわざわざ諏訪までいらしたお客様がいらっしゃって感激。サウダージ・ブックスの群島詩人のこのシリーズを沖縄時代も含め長く販売してきましたが、とうとう最後の1冊が売れました。増刷もないそうなので、これが本当に最後でした。それに相応しいお客様だったのではないでしょうか。淺野さん、完売しましたよー!展覧会のカタログ、画集も含めたくさん入荷しています。休み中もたくさん値付けしますので、木曜日からもどうぞお楽しみに。ぎすじみちさんの展覧会は22日までです。じわ写の写真集も売り切れたので新しく仕入れの連絡をしました。大忙しで仕事できて大変ありがたいです。火水はおやすみ、また木曜日に。