言事堂の日記帖(2023.4-)
2023.12.29
本日年内最終営業日。開店前に少しだけインスタライブ、楽しかった。来年はスタッフ及川さんとあたらしい新刊書の棚づくりをしようと画策中。
最終日なのでいつもよりお客様が多かった。ありがたいお言葉もいただいた。来年に向けて頑張ろうと思う。どんどん良い店にしたい。
通販で注文のあった本を棚から出してみると、いつのまにか背のところが破れていた。雑誌はとくに表紙部分は剥がれやすい。棚の中に入れている本を1冊ずつ検品するのは難しいし、悩ましい…。こればっかりは、お客さまに丁寧に本をみてくださいとお願いするしかない。そして破損した場合は、通販の対応もあるので、ちゃんと店員に伝えてほしいな…。
休み中はあちこちのメンテナンスや薪作り、通販の登録を進めます。年始は来年1/4から。また来年お会いしましょう。みなさまどうぞよいお年を。
2023.12.25
ただいま店内にて漆原さくら個展を開催中です。来年1/8まで。漆原さんは「食べ物絵師」と名乗りお仕事をされています。その名の通り、食べ物の絵を描いて生活されています。どの絵を見ても、ほんとうにおいしそうでほくほくしてきます。仕事中に見ると非常にお腹が空きます。ああ、食べたいなぁ焼きネギ、手巻き寿司、出汁のきいたお味噌汁。
漆原さんの絵に囲まれつつ、毎日50冊ほど値付けをしてどんどん品出しをしています。定期的にぜひ店舗にも足をお運び下さいませ。
年内の営業は29(金)まで。残りあと2日となりました。年末年始の読書用にぜひ本を選びにいらしてください。年始は1/4(木)からです。
2023.11.23
3日連続で出張買取。目も冴えて、査定の作業もよい本を見つけるスピードも上がってくる。日々鍛錬ですが、古本屋業も17年目に突入、もうすっかり中堅になってしまいました。斜陽産業ですが、若い古本屋が増えていくことを願っています。そこの人、古本屋になりませんか?なかなかたのしいですよ…
午前中、諏訪の老舗の某商店にて買取作業をしていたら、「まさかこんなお嬢さんがいらっしゃるとは思わなくてね、ほら、古本屋っていうと、おじいさんかおじさんが来るかと思うじゃない?」と話をされていて、とてもじゃないですがもうお嬢さんという年齢ではないので訂正させていただきましたが、古本屋業はまだまだ女性店主というのが珍しい職種でもあります。本は単純に重いので、腕力に自信のある女性はぜひ、怯まず古書業界に足を踏み入れていただければと思います。
対談イベントも終わり、来月は辰野町在住の食べ物絵師・漆原さくらさんの個展が始まります。12月なのでクリスマスツリーも店頭に出そうかと思っています。古本屋になってから、ずっと夢だったんですよ、店頭にツリーを置くことが。
2023.8.11
8月になると、広島や長崎の原爆のことを思い出す。一昨年、広島の平和記念資料館を久しぶりに訪れた。館に向かう途中、爆心地からほど近い周辺の街を歩きながら、学徒動員のため建物疎開の作業をしていた中学生たちが全員亡くなったという地点に行き着いた。足元をじっと見つめて真横の川に視線を移すと、何十年も前のあの日がいまこの時にやってきたように眩しかった。展示を観た後、原爆ドームと、本当の爆心地とされる路地にも立ち寄った。街中そこかしこに、展示の中で見たひとたちの記憶がちらばって目に入ってきた。忘れてはいけない。
言事堂の店内でも戦争関連の資料や書籍があります。手にとっていただけたら。
前回の日記の後に『長野県人名鑑』(信濃毎日新聞社)が入荷。こちらにはちゃんと藤森成吉や武井武雄、野村千春の名前も見つけて一安心。今度からは『信州人物誌』と両方引いてみようと思う。
暑い日が続きますが、熱中症に気をつけてみなさんお過ごしください。お水と塩が大事です。私はもっぱら塩分チャージというタブレットを摂取中。
2023.7.24
店頭と出張の買取で本がどんどん集まってきて、廊下に山積みになっている。アルバイトの及川さんにリスト作りをやってもらっていても間に合わない。掃除、値付けと管理で一日が過ぎていく。そういう仕事とわかっていても途方にくれてしまう。仕入れの中に面白そうな本を見つけて頁をめくるのが何よりの楽しみではある。
夏休みの子どもたちに向けて、自由研究の参考になりそうな児童書を店頭にどんどん出します。均一本にするのでのぞきに来てください。藤森成吉の著作本もまとまって35冊入荷しました。
郷土史の仕入れのたびに知らない人物名が出てくるのでそのたびに開いている本が『信州人物誌』(信州人物誌刊行会)。人名ごとの索引もありとても重宝している。武井武雄や藤森成吉が掲載されていなくて?というところもある。名取洋之助の記載があって、なんでだろうと思っていたら、岩波写真文庫からの出版があるかららしい。なるほど。長野ではかつて全37巻からなる『長野県文学全集』という(地方での文学全集の刊行巻数では一番じゃないかと思う)書籍が刊行された。長野にきて驚いたことの一つがこの文学全集だったのだけれども、それだけ長野と関わる作家・著述家がたくさんいるということだ。古本屋の勉強は続く。