言事堂の日記帖(2023.4-)
2025.10.23(木)-10.27(月)
10.23(木)
日本を旅行中のイタリア人から本の注文があって、滞在中の東京のホテルへ19(日)にスマートレターで発送した。水曜までに受け取りたいとのことだったので間に合いますよと伝えると、水曜日になっても届いていないと連絡が。スマートレターは追跡番号がないので、すぐにはわからないと思うけれども配達地区の郵便局に電話をして、配達員に覚えがあるかどうか聞いてもらったら、火曜も水曜も配達した記憶がないとのこと。水曜日の夜遅くまで対応して、今日朝いちで郵便局に電話をかけてあれこれ手立てをする。イタリアのかたも郵送先に部屋番号を書いておらず、フロントのないタイプの宿泊施設でおそらく日本人ではないオーナーが経営していて電話番号も繋がらない怪しいホテルだったので、返送されてこちらに帰ってくる保証もない。イタリア人には、あなたは届くと言った、他の店に注文すればよかった、イタリアまで送ることはできるか?と言われて、どっと疲れが出た。郵送状況の影響は私のせいではありません、電話も繋がらない怪しいホテルの人が本をこちらに返送してくれるとも思わないと返信。スマートレター本当に嫌い。 好きで何度も読んでいる今江祥智の短編があって、何度か文庫で仕入れて店頭で売っている。今月の便で仕入れたので久しぶりに休憩時間に読んでみた。読み終わってからふと思い出したことがあって、後ろの棚の中のくるくる丸めたブックカバーを開いてみて驚いた。去年、うちでアルバイトしていた及川さんが京都に行った時に、待賢ブックセンターの鳥井さんが私にと言って彼女に託してきたものだった。なんと、その今江さんの短編にこのブックカバーのことが出てくる、ということに今気がついた。なんたる偶然、どうして鳥井さんはこれを私に…???長新太さんの描いた猫の絵です。あずき色、こりゃ驚いた。いろんなことが起こる木曜日。 企画を二つ作っていて、休み時間にメモ書き。忙しいので本当にできるかどうかわからないけどやってみる。
10.24(金)
営業前に出張買取1件、上諏訪駅近くで旅館を経営されていたそうで、屋号の書かれたガラス戸が保管されていた。甲州街道から高島城へと続く道はお殿様が通っていたところなので、今でも道がしっかり残っている。温泉付きで繁華街で遊んで、競馬もして賭け事をして、駅前近くで食事もして相当賑わいのある場所だったそう。買取に行くとこういう話を聞けるのがなんとも楽しい。 先週買取にお伺いしたIさんから電話、私の査定額より高く買い取ってくれる人がいるとのことで買取はキャンセルになった。こんなこともあるんだな。買取に行った時に出張料をいただいていないのだけど、契約成立があってのことなので、こういう場合は本来なら出張費だけでも徴収できたらいいのに…。明日も出張買取があるので気持ちを切り替えてやっていこう! O(オー)のにゃおちゃんとおしゃべり、寒くなってきたね。
10.25(土)
昨日に引き続き今日も早朝出張買取。市町村史や諏訪の史料など持ち帰る。原稿用紙やノートなどもあったので持ち帰らせていただく。今日はリビセンにkittaさんとあたらしい日常料理ふじわらの奈緒さんがいらっしゃるということでお昼ごはんを届けてもらった。最近忙しくてお昼をちゃんと食べていないので、白米が嬉しかった。ブロッコリーの美味しいことったら。元気になりました。昨日の遅い時間に持ち込みの査定があるので少し進めつつ残りの査定も終わらせられたら。溜まりに溜まった事務仕事をしつつTO DO LISTを日にちで振り分けて仕事メモを作る。値付けをしておやつ食べて査定。
2025.10.16(木)-10.20(月)
10.16(木)
火曜日に『日本の古本屋』のメンテナンスが終わり、いろんな不具合に見舞われ休み中はハラハラして過ごした。今まで、送料は注文が入ってから算出していたのだけれど、これからは表示することが義務付けられてしまって、手作業で全部変更をかけなければいけなくなった。その数14000点!1年、いや2年はかかるかな、地道に直していくしかない…。在庫の整理をしつつ、変更も進めます。今均一で310円の表示がありますが、領収書などご希望のお客様、ゆうパック発送のお客様は実費となりますので変更があります。新書版や文庫本などは送料が安くなります。ご了承くださいませ。香川の出身だという方が訪ねて来てくださる。長野への移住のために今準備中なのだとか。聞けば私の実家の隣町にお住まいだそう、その方は香川の友人ととてもよく似ていた。ばたばたと仕事を進める。バックヤードの整理、新刊書を整えたり古書の棚を整えたり。夕方ヒュッテみさやまの三井さんご来店、霧ヶ峰はそろそろ紅葉が終わって冬のシーズン入りかな。今日は通販の登録が1冊もできなかった。今月中に500冊は登録したい。
10.17(金)
老眼が酷くなって来ていて、仕事に差し支える。色々とやりずらいなぁ。『四月と十月』の最新号が入荷しました。同人も増えてハルカナカムラさんの連載も新しく始まりました。
10.18(土)
言事堂で取り扱い中の「仏像えほん」の著者店橋さんと編集の根本さんがご来店。明日飯田でししまいフェスがあるらしく、前乗りして長野入りしたそう。この後諏訪市内の仏像の見学へも。いいなぁ、ししまいフェス。値付けがなかなか進まないけれどもとにかく査定を終わらせる。写真集や長野の本が入荷しました。
10.19(日)
昨日夜中2時までおしゃべりしていたので寝不足(でも楽しかった…。)店頭買取の持ち込み1件、出張買取の依頼1件、査定待ち4件、進めても勧めても終わらない。とにかく急いで!ささらプロダクションの小倉さんと由井さん、諏訪のたねプロジェクトのかたがご来店。小倉さんたちは同人誌『窓』の私のインタビュー記事を読んでくださっていたようで、古本屋の仕事にとても関心がおありのようだった。齋悠記展の準備、通販の準備、あんなさんがケルマデックさんのタロットと本を納品に来てくれた。忙しいのにありがとうございます。通販にも登録しましたので遠方の方はそちらからどうぞ。今日は新刊書がたくさん売れた。武井武雄のこけしの絵も売れた。なくなると寂しいものだな。何か絵を飾ります。
10.20(月)
朝一で買取査定1件、いつも査定だけの作業だけど、本のクリーニングを進めながらの同時進行にしてみた。読みたい本も混ざっていたので休憩中に読みたい。店頭買取1件、山岳書のコレクターさんがやってきて、店頭買取の本もお持ちいただいた。持ち込み分と同じ量の山岳書をまた買ってくださった。本が巡り巡っている。今週は出張買取の予定が3件、他の仕事もあれもこれも終わっていない。大忙し。
2025.10.9(木)-10.13(月)
10.9(木)
定休日にお店の駐車場に横浜ナンバーのトヨタのハリアーが停めてあった。あまりに堂々と停めてあるので知り合いなのかなと思っていたら、私が郵便局に行っている間にいなくなっていた。3時間ほど?よく何も言わずに停めていられるなぁと呆れつつ休みの日も仕事をしました。怒らないのでちゃんと名乗ってください。この辺りの駐車場問題はあるけれど、10分も歩かない距離に諏訪市の駐車場があるのに、みんな歩くこと忘れてない?って思う。京都に観光に行ったらみんな歩くでしょ?
早めに出勤を心がけて粛々と仕事。棚の整頓をして苦手なジャンルの並べ方をどうするかうーんと悩んで試行錯誤。通販の梱包とバックヤードの整理整頓。きれいになると気持ちがいいし、当たり前だけど仕事しやすい…。ちゃんと本が売れていってくれることがありがたい。気持ちの良い売り場を作るためにあれこれ工夫をしています。Rさんが希少なお米だよと新米を差し入れしてくださる。日本初の国立大学生まれのお米だそうです。冷えても美味しいとのこと。今晩、土鍋て炊いてみよう。マツダの日本PR誌として80〜90年代に制作された冊子がまとまって入荷。那覇にいるときに何度か入荷していたので懐かしさも。執筆は吉田光邦、編集は瀬底恒、アートディレクションは田中一光、とても豪華。吉田光邦のことを調べても著作の情報しか出てこなくてどういった人柄だったのかわからなかった。松岡正剛の千夜一冊401夜に吉田光邦『文様の博物誌』を見つける。これだ!なかなか面白い経歴だった。『文様の博物誌』も読まなくては。瀬底恒さんにも特別に思い入れがある。これはまた別のところで書いておきたい。
10.10(金)
『『諏訪史第一巻』刊行一〇〇年 次の一〇〇年へ』の販売用POPを書く。展示を見たときに博物館で購入したけれども冒頭しか読んでいなかった。改めて読んでいるとめちゃくちゃおもしろい…。古今書院の由来や芸術家たちへの影響など、知りたかったことがまさかここで読めるとは。店頭にて販売中です。通販でも購入できます。お問い合わせくださいませ。辻邦生のフェアや展覧会が各地で開催されていて、今年は節目の年なのかなと思っていたら生誕100年とのこと。軽井沢高原文庫の展示も見たかったけれど13日でおしまい、間に合わず。磯崎新設計の辻邦生山荘の見学会もあったそう、行きたかったなぁ。値付けをしながら少し本を読む。明日霧ヶ峰に行くという女の子たちが山の本を選んでくれた。まだ雪が降りそうにないから今月もう一回くらいは霧ヶ峰に行けるだろうか。札幌からのお客様も。安曇野や松本を巡って諏訪にも足を運んだそう。こんな古本屋がまだあるなんてと少し感動してくれていた。お土産ができました、と言って一冊本を選んでくださる。今日は店売りの売り上げは良かったものの、通販は惨敗。先月も売り上げが目標に届かず、今月も難しいかもしれない。どうにかしてクリアしたい。対策を練る。
10.11(土)
入荷したばかりの小沢昭一『日日談笑』が早速売れる。昼休みに網野善彦との対談を読もうと思っていたと伝えると、常連Kさんが近くに用事があるから置いていくからまた戻ってくるとのことで少し貸してくださることに。パリの裏通り、ポンピドゥーセンター前の猿芸の話から日本の猿回しの話へ、韓国には野生の猿がいないだとか中世の陰陽師はいろんな土木工事に関わっていたとか、土御門と呼ばれた人たちのこと、世界中の奇祭、遊女や芸事の身分のことなどなど、目が醒めてきた。面白かった!小沢昭一って俳優だよね?なんでこんなに中世の芸事のこととかよくご存知なのだろう?一世代前の文化人て本当に教養がすさまじい。連休初日、新刊書が11冊も売れたのが嬉しかった。いつもは多くても5冊くらいなので。古書もたくさん売れた。しっかり補充して、売れた分、値付けも進めて頑張ります。郷土史をもっと読みたい。
10.12(日)
木曽の民話の本をたくさん買ってくださったお客様と民話のことをしばらく話した。長野にもたくさん伝承の民話がある。駒ヶ根から来ていたお客様も八ヶ岳と富士山の背比べの話をされていた。これも有名な昔話だ。私は上諏訪の河童と立木様の話がとても好きだ。「諏訪式。」の著者の小倉美恵子さんからメールをいただく。同人誌『窓』の最新刊に言事堂の話が載っていて、それを読んでの感想を送ってくださった。感動…。ずっと探していた岩波の新書があったと喜んでくださったお客様が。500冊ほど新書をまとめて買取をして、こつこつ品出しをしています。お探しの本はお尋ねください。連休中日、今日もたくさんお客様がいらっしゃった。たくさん売れました。明日は『日本の古本屋』がシステムメンテナンスで1日動かないようなので、他の仕事をやります。
10.13(月)
連休最終日。昨日値付けを頑張ったのでどんどん棚出しする。残業しすぎて眠い。値札を作ったり経理をしたり梱包をしたり。文月ちゃんが納品に来てくれた。「本をつくるということについて話そう?」「取るに足らない大事なこと」再入荷しています。お店のwifiが弱いので、新刊書の通販の画像登録が全く進まない。ほるぷの近代文学館復刻シリーズの漱石文学館が入荷、中村不折の挿絵を確認。不折だけの絵かと思っていたら、扉絵は橋口五葉、挿絵は浅井忠も描いているそう。不折はかつて上諏訪にあった呉服屋に丁稚に来ている。ゆかりがある土地で、眞澄のロゴも不折が描いている。珈琲のドリップパックのラベル作り。古書の値付けを少し。里帰りしているという方が古書店の誕生をとても喜んでくださっていた。とても嬉しい。今日もたくさんお客様がいらっしゃって、たくさん本が売れました。ご来店ありがとうございました。みなさんに感謝!明日は休み、どこかに行きます。火水定休日、また木曜日に。
2025.10.2(木)-10.6(月)
10.3(金)
久しぶりにひどい風邪をひいてしまい喉の痛みにすっかり参ってしまった。昨日は休息を、と多めに寝てみたら腰痛が発生。長く横になるのも身体に悪そう。動いているのが一番いい。山岳書を15冊ほど値付け。文庫本と新書版も。今日はレジ台の中がとても冷えていた。夕方、男性客と二人になってしまい怖かった。できるだけ顔を見られたくなくて、レジ台に本を積み上げて見られないようにした。去年の付きまといがあった頃から1年経つけど、まだまだ警戒心は解けない。ぷらざの記事を観てきましたというご夫婦、私うちなーんちゅなんです、と女性のかた。聞けば、私の娘と出身中学が同じ、ご主人と40年前から富士見に住んでいるそう。国吉清尚さんのことや沖縄空手の「ティー」の話など、沖縄の話題で盛り上がりました。うれしい出会い。
10.4(土)
風邪薬を変えて、のどのスプレーも持参して出勤。元気だけは余りある。新刊書の入荷本の整理。今日は国道を封鎖して五蔵前で飲みあるきイベント。まちが賑やかになります。雨模様なのが残念。藤森栄一の本を購入してくれた青年と藤森栄一の旅館と書店の話をする。上諏訪でかつて生活していたという痕跡を探して歩くのは楽しい。夕方、身震いするほど寒くなってきた。早くストーブの周りを片付けないと…。
10.5(日)
喉の痛みが少し引いてきた。スプレーのおかげかな、だいぶ楽。食欲は落ちているのに体重が減らない。悲しい。いつもより睡眠をとって出勤。通勤路ですれ違った人が「無印の…」と話している声が聞こえた。全身無印コーデだとばれたのか。大昔調査会の高見さんが『諏訪史第一巻』刊行一〇〇年の記念号を届けてくださる。三上さんに取りに行きますと言いながらすっかり忘れていたのでとてもありがたい!税込2500円です。通販にも載せますので興味のある方は連絡下さい。鳥居龍蔵と笹森儀助は熊楠くらい有名でもいい気がします。(琉球人遺骨問題が早く解決しますように。)
10.6(月)
ミシマ社の新しい営業のかたがご挨拶に来てくださる。前任のOさんは退職したとのこと、安曇野でまた会えたら。H君が来ていたので昨日高見さんからいただいた榎垣外遺跡のパンフレットを手渡す。2部あってよかった。奈良時代、諏訪にたった10年間だけ存在した『諏訪国』があったそう。私もどこかの本で読んで知ってはいたけど、この榎垣外遺跡がその諏訪国だった頃の役所の跡なのだそう。そんなこともわかるんですね!諏訪の考古学は本当に面白い…。中学や高校で学んだ日本史がこうやって身近にあって蘇ってくるなんて。今日は店売りの売り上げが少なかった。代わりに通販はよく売れた。少しほっとした。火水はお休みです。また木曜日に。
2025.9.25(木)-9.29(月)
9.25(木)
休みの日に中庭の木材を片付けて冬支度。外の薪置き場は半分までしか進められず。通販の梱包後に、ななこさんと展覧会の打ち合わせをオンラインで。本の登録をすすめる。バックヤードも少し片付いてうれしい。2階をようやっと片付ける気持ちになってきた。腰が重すぎる。発注していた本がどんどん届く。楽しみにしていたマキネッタもスウェーデンから届いた!ぎすじみちさんの展示の搬出をしながら営業、途中お客様が写真を見にきてくださって、泣きそうになりながら大笑いしてくださり、みちさんも喜んでいると思います。よかった!いつも笑って暮らしたいです。
9.26(金)
月刊プラザ諏訪に檀さんが描いてくださった言事堂の記事が載りました。早速お客様がご来店、買取の予約をいただきました。熊谷守一やジャベルのお話などで盛り上がる。檀さんありがとうございます!写真、山積みなった本がすごい高さで写っています。査定の山を進めつつ、通販の梱包梱包。八十二銀行の営業の電話を受けつつあれこれメモ書き。
9.28(日)
常連のKさんがぷらざに載った記事を持ってきてくださる。いつもありがとうございます。店頭買取1件、山の本が入荷しました。お待ちいただいている査定なんと5件、出張買取の予定2件、もうてんてこまいです。仕事が終わらない!次の展示の準備とぎすじさんの写真の返送もまだまだ。もう一つ身体がほしい。
9.29(月)
今日も大忙し。開店前に銀行の両替と外の薪置き場の整理。細かい木材はあと少しで終わりそう。大きな木を切るのはまだ。チェーンソーの準備をしなくては。