言事堂の日記帖(2023.4-)
2025.12.25(木)-12.29(月)
12.27(土)
山口から帰ってきてから大忙しで日記を書く時間もなかった。木曜日から太田二郎さんの展示が始まりました。幻想文学の原作を読んでから原画をみていただくほうがもちろん良いのですが、絵を先に見て、これどんなストーリーなんだろう…と想像するのもまたたのし。大石ももこさんが木曜日にご来店。道祖神のZINEを作ったそうでサンプルをいただく。人とZINEが韻を踏んでいて良い。年明けに仕入れた分が届きます。昨日は遠藤薫ちゃんのお知り合いのかたが諏訪大社や松澤宥にちなんだ場所をめぐってから言事堂に立ち寄ってくださる。旧御射山の話で盛り上がる。今日は、去年言事堂に来て切手にはまったというお客様がたくさん琉球切手と古い切手を求めてくださって嬉しかった。青木繁の漁夫の絵のスケッチをしたという漁村の話をする。切手は追加でまたあたらしいもの出していきますので、お楽しみに。年末年始の忙しさ、ありがたい。
2025.12.19(金)-12.22(月)
12.19(金)
月木とお休みをいただきまして、あいだの定休日も使って山口に野焼き(陶芸のほうです)に行ってきました。とても楽しい時間を過ごして戻って来れなくなりそうでした。お店に戻るとありがたいことに通販の注文がたくさん入っていて、ひとつずつ返信をして準備をしました。今日はほぼほぼ発送作業で終わり。夜は甲府の豊鮨で忘年会。
12.20(土)
ボーダーインクから封書が届いていた。開くと社長交代のお知らせ。池宮さんが会長に、喜納さんが社長に。新しいボーダーインクが始まろうとしている、応援しています。言水さんからもお便りが届く。今日はゆうパックの発送などもあったのでほとんど梱包で1日が終わってしまった。昨日も今日も値付けが進んでいない。明日こそ。
12.21(日)
11年前に仕入れた洋書がやっと売れた。確定申告の作業をしていると、『在庫』=『家賃を払い続けるものたち』という回路が出来る。たった1冊でも、家賃がかかってるのだ。古本屋にとっては在庫こそ命綱なのだけれども、この値付けの進まない大量の在庫には正直うんざりしてしまう時がある。バックヤードには去年の9月の日付が入った箱が積んである。曖昧な気持ちを抱えて今日も値付けを頑張ります。査定も順番待ちが4件!仕入れがないよりはもちろんいいのだけれど。
2025.12.11(木)-12.14(日)
12.12(金)
休みの日に行った岩盤浴がとても良かった。疲れも心のもやもやもすっきり。冬場は定期的に行くべき!低血圧なので私はサウナじゃなくて岩盤浴派。開店前に銀行とツルヤへ。先週ぱたぱたと売れていった文化財保存建築の報告書関係に気をよくして今日も数冊登録した。また売れたらいいなぁ。ちくま文庫の宮沢賢治全集も売れて嬉しかった。Mさんありがとうございます。買取の支払いをして月末の振り込むもののチェック、新刊書の発注、通販の梱包など。日記読んでますと声をかけてくださったお客様がいて、あの赤裸々の?と言ってしまった。14日までmateoの展示は続きます。2階のギャラリーを開けたはいいが、いろんな改善点がどんどん出てきたので会期が終わったらあれもこれもと手直しをする予定。to do listの項目が500件ほどあるのだけれど、優先順位ももはやよくわからない。(自営業の皆さん、どうしてるの?)今晩は今年最後のことこと読書会の日。網野善彦「古文書返却の旅」と尾崎真理子「ひみつの王国 評伝 石井桃子」を紹介。どちらもとても静かに興奮して読んだ。石井桃子はもっと評価され続けてよいのに、ミッフィーちゃんやプーさんの愛らしさの影でその凄まじいまでの人生の遍歴が隠れがち。ああ、ありがとう網野さん石井さん。
12.13(土)
ゆうパック発送用に箱を探したけれどいい大きさのものがなく、段ボールを切って加工した。できるだけ切る部分を少なくするには…と考えてどうにか完成。小学生の時から工作は大の得意。こうやって長く仕事に活かせる特性を身につけられたことに感謝。父が肥後守を小さい頃から持たせてくれてたのもよかったのかもしれない。竹でお箸を作ったり、本棚、机、壁などなど、何でも自分で作ることができるようになった。できるだけ、子どもにはやれることをやらせてあげることが大事。(私は逆に自分の子どもにはあれこれ先にやりすぎたかもしれないな…。)公費の書類を作って梱包をいくつか済ませるともう14時。リビセンで小淵沢の露月の羊羹を販売しているというので予約購入。やっと食べることができる!うれしい。夜、自宅での仕事中に食べることにする。最近家でも仕事を当たり前のようにしている。おかげで今冬は編み物がまだできていない。
12.14(日)
今月ずっと店売りの売り上げが低くて焦っていたけど今日はとてもよかった。まとめ買いをしてくださったお客様がお二人、どちらの方も、オーソドックスな古本屋らしい古本屋がまだ残っていることに喜んでくださっていた。セレクトショップのような古本ではなくて、やまゆりのあっこさんも話していたこの”お客に媚びてない”店の構えがかえっていいのかもしれない。私もそれを望んでいたのでとても嬉しかった。岡山から一人旅で来たという子に読書術を伝授。受け取ろう受け取ろう、何かある何かあるという姿勢から入った読書では結局何も受け取れない。読書の間は常にコップやお皿のように受動態にならなければかえってその本の本質が体に飛び込んでこない。期待せず、受け皿で読むこと。そうするとどくどくと身体に入り込んでくると思う。気付けることにも気付かないでいる状況って悲惨だ。明日から木曜日まで冬休みをいただきます。19(金)から営業します。また週末に。
2025.12.4(木)-12.8(月)
12.5(金)
マテオの展示がはじまりました。彼のドローイングはとても繊細で、どうやって見せていこうか悩みましたがいいところに落ち着きました。展示は延長が決まって、12/14まで。2階の特別なギャラリーですのでスタッフまで声をかけてください。ここ数日展示の準備で大忙しだったので、今日はゆっくり…とはいかず、入荷本どんどん紹介していきます。スワニミズムの坂間さんがご来店、suwazineを納品いただきました。すぐに売れてしまう人気の雑誌です。スワニミズムの会報誌もとてもよく動いていてただいま売り切れ中です。こちらも近々三浦さんが納品に来てくださると思います。坂間さんから古書の話を教えていただいたのでメモメモ。
12.6(土)
展示を観に来たというお客様がこそっと隠しておいていた石に気がついて尋ねてくれた。すごい、よく気がついたね。改装工事の時に床下から出てきた石をずっと2階の棚に置いていて、マテオの作品みたいに見えるので隠しておいたのだった。会場に来た人は見つけてみてください。「ひらやすみ」のなっちゃんのお友達に似た子だった。入荷したばかりの「諏訪郷族家系史」と「茅野村史話」が売れた。どちらもあまり見ることが出来ない希少本だ。聞くと、「日本の古本屋」で入荷情報をチェックしているという。気が引き締まります。先月の東京出張からずっと休みがなくて忙しくて、展示の準備や査定続きの疲れでここ2日間ほんとにぐったりしていた。これではいけない、今日はたっぷり寝ます。
12.7(日)
お店の開店時間ぎりぎりまで眠って、身体も心もすっきり!睡眠大事ですね。溜まっている仕事をとにかく片っ端から終わらせていきます。新刊書の注文を2件メール、公費の書類作成、通販作業。梱包まで進めて、午後は査定2件終わらせる(予定)健康健康健康第一。
2025.11.27(木)-12.1(月)
11.27(木)
定休日に実家へ帰り、そのまま親戚に会いに関西へ。いつもは車移動なので電車で楽だった。本もたくさん読めたし。特に疲れもなく夜遅くに帰宅。通販の発送がたくさんあったので早朝から準備。仕事を当たり前にできるのは本当にありがたい、健康に感謝。閉店間際に牛山さんがきてしばらく談笑。牛山さんが冗談で、閉店間際に来て話してたらつきまといの人って言われそうだから帰ります、と言って帰って行った。冗談で聞けるようになってよかった。そしてもう本当にやめてくれ!
11.28(金)
休みの日に郵便局へ行けなかったので開店前に郵便局へ。レターパックなどを購入してゆうパックのラベル印刷もお願いする。小学生の集団が階段を降りてきていたので今日は登るのをやめておく。(手長神社にきたときは階段を休まず一気に駆け上がる、というトレーニングを行なっています)店に戻ってグラシン紙かけ、文庫本の上下巻セットのものをビニールで包む。通販の梱包などなど。前島さんから大きな白菜をいただく。夜に百瀬さんから野沢菜をいただいたので、夜は白菜と高菜の漬物大会です。
11.30(日)
八剣神社の秋の例大祭、みかん投げの日。もちろん店番で行けなかったけど、ポータリーのみきちゃんがみかん届けてくれた。やさしい!ささらプロダクションが数年前に制作した冊子があったので休憩時間に読む。由井さんの文章から、民映研の前身のような「日本観光文化研究所」という組織があったことを知る。初代所長は宮本常一。先週読み終えた網野善彦の古文書返却の旅のこともあって、レイヤーで物事を観ることができるようになった。網野さんの日本史の本はまだまだ読みたい。
12.1(月)
今日から師走。お店のカレンダー12月分が見つからずもどかしい気持ち。平谷さんがクリスマスリースを届けてくださる。ユーカリの香りが店内に漂う。那覇のお店でもユーカリを育てていたことがあって、それもいい香りがしていた。頭がすっきりする。冬休みに向けての新刊書の仕入れをしっかりやったので来週末にはたくさん届くかと思います。お楽しみに。マメイケダさんのカレンダーもあと3部だけあります。通販でも販売していますので、ご購入希望のかたはお早めに。浜松のBOOKS AND PRINTSのかたたちがご来店、昔、若木信吾さんの映画『トーテム』の沖縄上映の時に少し手伝ったような記憶があって、そのお話をされていたのでやっぱりそうだったかと。もう昔のことすぎておぼろげ。でも懐かしい、スミンが映画の中で語っていた台湾の創世神話(これはアミ族のものかもしれない)が日本のそれととてもよく似ていて、海は隔てるものじゃなくて陸地と陸地をつなげるものなんだなと思った記憶などが蘇ってきた。