言事堂の日記帖(2023.4-)

2025-08-21 17:48:00

2025.8.21(木)-8.25(月)

8.21(木)

急遽問い合わせのあった出張買取がキャンセルになったので、慌てて進めようとしたことをストップさせて、展示の告知や通販業務を進める。2020年のお店の日記を懐かしく読んだ。本当にいろんなことを忘れている。日野市立図書館のSさんが調査のためご来店。田中冬二について話を交わす。つい最近田中冬二が長野市の銀行の支店長を務めていたと知って、長野とゆかりのある人なんだ、へぇーと思っていたら、なんと上諏訪で支店長もやっておられたとか。かなり驚いた。戦況の慌ただしい昭和17年から2年7ヶ月、上諏訪にて詩作を行なっていたことになる。小尾榮の信州文壇がちょうど昭和17年で発行を止めているので、こことの関わりもどうだったのか気になる。田中が務めていた旧富士銀行内のドアが、今言事堂の店舗のドアになっていることも面白い繋がり。夕方、茅野の古書店書架かむかふのより子さんご来店。あれこれ伝授して、来月山行こう!と約束した。今日はアベクミコさんや蓼科で子どもキャンプを企画しているかたたちも来てくださってにぎやかだった。今日売れたもの、新刊書・夜、古書・群竜伝、これは意外!おかしな不思議な事始める百科、横浜トリエンナーレ2005ドキュメント、オペラシティの彼方に、長野県文学全集、動物化するポストモダン、猫とともに去りぬ、ピカソ 女性たち展、マヤコフスキー詩集、写真新世紀13、きりの村、木のぼり入門、遊びの百科全集4図形工房、こんな絵本があった、マジョリカ・タイル、こどものとも。通販では、芸術新潮2000年12月号、バトントワーリングのすべて、鹿鳴館の夢、航空情報1976年5月号、紀州木の国・根の国、キッズ・アートワールド、気違い部落周遊紀行、感性の覚醒、昭和文学交友記、気張る男、が売れました。

 

8.22(金)

沖縄時代のお客さん・小林君が突然お店に現れる。木曽に住み始めて9年なのだそう。まさか長野県内在住とは。前島アートセンターや懐かしい知り合いたちの話で盛り上がりました。木曽に沖縄出身のかたがお宿を経営されていて、言事堂ができたばかりの時にメッセージをいただいたことがあり、気になりながらもまだお伺いしたことがなくて、一度行ってみたいと思っていた。茅野にも沖縄関係の友人たちができたので、みんなで行きたいな。八十二銀行の新しい営業の方がご挨拶にきてくださった。以前商工会議所にいらっしゃったようで、自営業者向けの助成金のことなど教えてくださった。ありがたい。夜は久しぶりに大昔カフェへ。諏訪の映像作品と去年の八重垣姫の文楽公演を映像化したものを鑑賞。『本朝廿四考』の中の有名な『奥庭狐火の段』を観ることができた。

 

8.23(土)

リビセンの制作チームが研修で来店、改装工事中の話など。大雨でトイレの外壁から水が浸水してきて大変な目に遭ったことなど、すっかり忘れていたけれども思い出して話をした。美術家の遠藤薫ちゃんと美術批評家の沢山遼さんたちがpodcastの録音のために来諏。縄文土器や諏訪の古代信仰、神代の話、中沢新一、鹿と熊の話などで盛り上がる。夜は自宅で録音、橋口さんと池田さんも加わり私も参加させてもらった。

 

8.24(日)

お店の開店前に下諏訪の美術家・故・松澤宥さんのアトリエ『プサイの部屋』の見学へ(普段は非公開です。)身震いするほど感動して帰ってきた。「君はこの部屋である 今」「ここに立ちて永遠に生きてみよ」何もない空間に概念が詰まりに詰まっていた。お店に戻ってきてからもふわふわして過ごした。

 

8.25(月)

今日は通販への登録はほぼストップ、グラシン紙をかけたり値札を作ったりの細かい事務作業を進める。棚の場所を変えて整えた宮澤賢治の詩集が早速出た。心をこめたり気にかけたりした本はすぐに売れていく。東京からのお客様が芝木好子の函入りハードカバー本をまとめて購入くださる。装丁の良さはこの箱入りでないとわからない。諏訪に来たら言事堂には必ず寄らなくちゃと思って来ましたと嬉しいお言葉。そう言っていただけると、忙しいけど頑張れます。ありがとうございます。田中冬二の上諏訪時代の居住地を調べていたら、なんとMさんが場所を知っていると分かりあっという間に答えに行きつきました。さすが地元の情報は強い早い!