言事堂の日記帖(2023.4-)
2023-04-24 17:47:00
2023.4.24
今日は流石に寒そうだったのでストーブに火を入れた。うちでも取り扱い中の版画集『よきお隣さん』の著者・太田二郎さんの工房に立ち寄った時に杉の葉っぱ(二郎さんは”すぎっぱ”と言っていた)をかごにたくさん頂いたのを薪ストーブの点火時に使っている。これが本当によく燃えて、焚き付けにぴったり。はやく暖かくなるといいな。
今日は店頭買取が2件、お客さんも多くてたくさん話をした。とある作家の熱狂的なファンだというお客様が学生時代に神田神保町の印刷工場でアルバイトをしていたという、50年前の神田周辺の話は面白かった。森谷均が創設した昭森社には当時の詩人や作家がみんな森谷に原稿を見てもらいにミロンガのある路地裏を通っていた話(ミロンガの二階に昭森社があったそうだ)や、レストラン・ランボオで武田百合子が働いていて、そこで泰淳と出会ったという話などなど。ミロンガの2階には思潮社とこの昭森社、そして書肆ユリイカ(現在のユリイカの前身)の3社がぎゅうぎゅうに入居していたという。私は知らずにこの裏路地をよく歩いていた。移転したミロンガにも行かなくては。
買取のお客様から『針生一郎 蔵書資料年表』をお借りした。凄まじい膨大な資料群を眺めているだけでも針生さんの一生を覗き見ている気持ちになる。